第1章 日本への進言書

目次

日本政府への建白書
経済政策
外交政策
交通安全
医療政策
法改正
教育
日本企業への進言書
一次産業
家電産業
製造業
交通
医療

日本政府への建白書

国民には、選挙権や被選挙権があると同時に、請願権もあります。私は、直接、国会議員へ提出しませんが、もし、国会議員の皆様が、この文書を御覧になられましたら、御一報下さい。

経済政策

政党や各会派は、経済政策の立案能力を高めるべきだ。第2次安倍政権が支持されたのは、その経済政策にある。与党になることを目指すのであれば、経済学者や企業経営者等を顧問として招くべきだ。

法人税減税

法人税減税は、該当企業の正社員と非正規社員の比率により決めるべきである。これは正社員を増やす刺激策となる。

ベンチャーキャピタル、マイクロクレジット、クラウドファンディングへの税制優遇策もまた必要だ。産業競争力強化法の条項は不充分だ。

イノベーション

イノベーションは曖昧なので、総務省統計局は、これを明確に数値化し、経済指標[1]として政策に活かす必要がある。

Power to Gas

水素タンカーのような巨大な船を建造できる造船所が日本にはある。また、波力発電の部品に転用できる、船舶用スクリュー・プロペラを製造している会社もある。日本は四方を海に囲まれているのだから、Power to Gasに最適な洋上で発電船を[2]浮かべればよい。

もし、カーボン・ナノチューブによる水素吸蔵が実用化されれば、発電船はコンテナ船を改造した形状となり、荷揚げをする港を有効活用出来るだろう。さらに、延縄漁のように連なった発電機を装備するはずだ。

自動車会社は、燃料電池のバスと[3]天然ガスで走るバスを、セダンに先行して販売すべきだ。煤煙を出さない公共交通機関が、世の中には必要だ。燃料電池のセダンが普及するのは、当分先の事になる。

国債償還

インフレ・ターゲットは国債償還の助けになる。国の負債を減らす絶好の機会だ。

宝くじは積極活用すべきだ。そして、負債にあえぐ自治体が、宝くじの収益金の分け前を優先して得られるようにすべきだ。

放送法改正

テレビやラジオのような、電波による放送は streaming mediaに置き換わりつつある。都道府県別に放送局を限定するのは、もはや意味をなさない。むしろ、地方局には世界中へ番組を発信する機会となる。国際競争力をつけるために、コンテンツを英語等の言語に翻訳し、配信することを奨励するべきだ。その為には、放送法の改正が必要だ。

インサイダー取引への規制

格付け会社によるインサイダー取引を防止するための規制を強化する必要がある。特に、格付け会社の自己売買部門の監査を強化し、違反があれば厳しく取り締まるべきだ。

年金資金

年金の運用には、先物取引を可能にするか、volatirity index連動の上場投資信託や、株価指数のインバース型の上場投資信託を購入できるようにするべきだ。株価は上がりすぎれば、市場原理により下がる。市場原理が働かないこともあるが、未来永劫、上がり続ける相場はない。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用資金が、いかに巨大であっても、弾丸が尽きれば、バズーカはただの筒だ。株価グラフのthreshold curveは危険な兆候だ。資産インフレを無理矢理演出しても、崩壊を招く恐れがある。

中国経済の崩壊への備え

多くの専門家が、中国経済の崩壊を予想している。日本のバブル経済崩壊と同じ失敗を繰り返すかも知れない。仮に中国経済が崩壊すれば、日本経済への打撃は免れない。私は、悪夢を避ける方法は知らないが、直ちに対策を講じなければならない。また、仮にそうなれば、良き隣人として、中国へ手を差し伸べる必要があるだろう。

伝統的な比較優位では、物価、賃金などの要素が変わらないことを前提とする。新しい比較優位では、為替相場や物価や賃金上昇を含め、要素は変動するものだと仮定する。輸出主導で経済成長を遂げても、それは必ず頭打ちとなる。製造業にばかり集中し、産業に偏りのあるモノカルチャー経済は脆い。多様性を重視すべきだ。不動産や株式等の資産インフレは終わり、下落に転じるかも知れない。経済政策の担当者は、この点に注意すべきだ。

OpenPGPによる個人認証

OpenPGPはMicrosoft Windowsだけでなく、主要なOperating System (OS)に対応している。Cross platformに出来るのだ。もし当局がこれを導入すれば、e-Taxのような電子政府のサービスを、ユーザーがインターネット上で公開鍵を登録するだけで利用できるようになる。

生体認証はマイナンバーよりも優れている。手ぶらで役所へ行けるからだ。さらに利点を挙げるならば、役所はPGP key serverにある申請者の公開鍵を、より簡単に特定し、認証することが出来るようになる。

専売制の廃止

酒税は専売制の名残だ。消費税との二重課税になり、国民は生活苦となる。国会が酒税を廃止すれば、消費者は酒を買うようになり、税収が増える。

外交政策

竹島と尖閣諸島

小さな島のことで、外交を滞らせてはいけない。かつて、日本は、いち早く明治維新を迎え、隣国に先駆けて近代国家を樹立した。日本がこれらの島の領有を宣言した時、中国や韓国は近代国家ではなかった。島の領有は話し合いで解決しなければならない。それで解決しなければ、橋下徹氏の主張したように、国際司法裁判所で決めるべきだ。

交通安全

毎年、交通事故で何千人も死ぬのは異常だ。システムを改善しなければならない。

衝突被害軽減ブレーキ

衝突被害軽減ブレーキを新車販売の際に義務化すれば、多くの事故は防げるだろう。

歩車分離式信号

交通事故の遺族が要望しているように、警察庁は、歩車分離式信号機を全ての信号機と置き換えるべきだ。

新型の電動の乗り物対策

Segwayのような電動の乗り物を速度制限を条件に自転車か歩行者扱いにすべきだ。また、昔のままの狭い道が多い日本では、自転車が車道を走るのは危険だ。速度制限を条件に、歩道を走れるようにすべきだ。

医療政策

重要な点は、医療ツーリズムと、少子高齢化対策だ。

薬の承認の相互認証

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、FDAEMAなどで承認された薬を、日本で、すぐに服用できるようにすべきだ。

医師数制限の撤廃

歯科医師のように、広く国民にサービスを行き渡らせるためには、医師数の制限をすべきではない。有り余るほどにすれば、医者は過疎地域へ喜んで行くだろう。

病院経営への民間企業の参入

医療法人のみならず、かつて行われていたように、民間企業の病院経営参入を復活させるべきだ。

免疫療法

先進治療は患者への費用負担が大きいので、保険適用を急ぐべきだ。特に、手術や放射線治療等で取り除けない癌は、免疫療法が有効だ。

法改正

治安維持

法律を改正し、振り込め詐欺のおとり捜査が出来るようにするべきだ。警察関係者から成る協力者の電話番号や住所を記したデータを名簿業者に販売すればよい。

判例は法律ではない。司法権と立法権は明確に分けるべきだ。死刑の基準を明確にし、刑法の条文に、附則か、但書として明記すべきだ。

民法改正

親子関係の認定には、養子縁組を別とし、遺伝子を優先すべきだ。代理母を法律で明記すべきだ。

日本は先進国と呼ばれている。しかし、economic animalと呼ばれたのは遠い昔であり、もはや経済大国ではない。先進国と尊敬されたいのならば、少数者への配慮のある社会を築くべきだ。

北海道先住民であるアイヌ文化の振興として、アイヌ語を公用語の一つと明記すべきだ。

同性の家族関係を認める渋谷区の条例は賞賛に値する。これに倣い、民法を改正すべきだ。

地方自治法改正

全国の道府県で東京都と同様に特別区を設置できるようにする、地方自治法改正が必要だ。橋下徹氏の主張を取り入れ、大阪市だけでなく、全国の政令指定都市で出来るようにすればよい。

教育

明治時代には、学生は大学に入る前に、まず予備門で英語を習った。なぜなら、海外から招いた教授の講義を受ける為に必要だったからだ。優秀な人材を育てたかったら、海外から優秀な教授を招くべきだ。

英語教育は早ければ早い方が良い。出来れば、幼児教育から始めるべきだ。義務教育においては、当然、小学1年生からだ。

日本では、文語を廃止し、口語に統一したり、草書から、活字に近い楷書中心にしたりして、文化の断絶が起こった。義務教育において、草書の読み書きや、古文や漢文の素養を見直すべきだ。

重い教科書を学生に運ばせるよりも、教材をインターネットで配信すべきだ。スマートフォンやタブレットPCで、例えば、EPUBの教材を使用できればよい。教科書の出版社には、それなりの対価を支払えば良い。また、ゲーム会社等の参入を促すべきだ。

実学重視の授業や講義を、義務教育、高校や大学等で増やすべきだ。教養は重要だが、それを第1にすれば、専門家が育たない。社会では教養人だけでなく、専門家も必要とされる。特に、computer scienceの学部を充実し、他学部においても、サーバ管理、web構築、プログラミング等が学べるcomputer based trainingを積極活用すべきだ。学生は高い学費を納めて通う。役に立たないことを覚えさせられて、社会へと放り出されるよりは、ずっとましだ。



[2] 浮体式での洋上発電の実験は、既に行われているが、風力発電を想定したものなので、水素タンクを設置する場所がない。さらに、日本は台風が頻繁に来るので、錨で固定せず、船にした方が良いはずだ。